消費税を学びなおす12~免税~
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
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「非課税」とどう違うの?
ここでおさらいです。まずは、消費税の対象になる取引は何か?
- 国内の取引であること
- 事業者が行う取引であること
- その取引で対価を得ていること
- その取引が、資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供のどれかであること
以上の4条件を満たした取引が「消費税の対象」になる取引です。
条件を1つでも満たさないと、「対象外」の取引ということになります。
「免税取引」は、消費税の対象になる取引であることが前提です。
その上で、
「別表第二」というリストに、書いてあるものが「非課税」の取引になります。
つまり、消費税の対象になる取引であり、かつ、非課税取引でないものであること。
となります。
免税の範囲
ではなぜ消費税を「免税」にするのか?
これは、消費税の根本的な考え方を理解する必要があります。
消費税とは簡単に言うと、国内で行われる消費行為について課税するものです。
そのため例えば、国内で製造した商品を外国に輸出するような場合。
これは、外国で消費されるということ、日本の消費税をかけるわけにはいかなくなります。
そしてその「免税」の対象になる取引は・・・
- 日本からの輸出
- 国際輸送
- 国際通信
わかりやすいものではこんなところ。もちろん、これ以外にも該当するものはありますので順次紹介していきます。
輸出について
輸出について消費税が免税となるのは上に書いた通りです。
そこで少し特殊なパターンを。頭の体操に。
例えば、輸出用に商品を仕入れたとして、その商品を輸出せずに別の国内事業者に販売した場合。これはどうなるのか。もちろん、免税ではありません。普通の国内取引として課税されます。免税となるのは、あくまで「輸出」したタイミング。実際に輸出をした方が免税の対象になるのです。
次の例。
ある商品をA国の事業者から仕入れて、B国の事業者に販売するケース。でも、実際の商品の動きは、A国→B国と直送され、日本を通らない。これは輸出ではありません。また、日本国内の取引でもないので、そもそも消費税の「対象外」となります。
少し変えます。
ある商品をA国の事業者から仕入れて、B国の事業者に販売するケースは同じ。商品の動きとして、
A国→日本→B国
だった場合。一瞬だけ港に陸揚げしたけど、輸入手続きをせずに引き取ることなくそのままB国へ輸出した場合。
これは輸出取引となり、免税の対象になります。
こういうところが怖いと思います。
取引の登場人物は変わらないのに、商品の実際の動きによって消費税の取り扱いが変わってしまう・・・。