消費税を学びなおす⑥~内外判定その2~
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
いろいろと困るケースが出てきた
先日の「内外判定」について、インターネットの発達のおかげで不都合なことが出てきました。
例えば、日本に住んでいる個人がインターネットを介して、外国の事業者から電子書籍を配信を受ける場合。
これは、「役務の提供」ですから、内外判定は役務の提供が行われた場所で判断します。でも、インターネットで配信されているので、役務の提供場所と言ってもいまいちピンときません。
そして、役務の提供場所がよくわからない場合は、役務の提供を行う事業者の事務所の所在地で判断することになっています。
設例の場合はどうなる出るでしょうか。外国の事業者が事務所を外国に構えていたら?そうです。国外取引となって、消費税はかかりません。
こうなると、同じサービスを提供している日本の事業者が不利になってしまいます。同じ書籍を配信しても、消費税の差額分だけ、金額が高くなりますからね。
「電気通信利用役務の提供」というカテゴライズ
ということで、こういったインターネットなどの電気通信回線を使って行われる役務の提供について、内外判定の基準を
役務の提供が行われた場所→役務の提供を受けた者の住所、事務所の所在地
と変換することにされました。
この変換が行われると、上の設例のケースではどうなるでしょう。
電子書籍の配信を受けた個人は、日本に住んでいます。ということで、国内取引とされ消費税の対象となる、ということになります。
ちなみに・・・
この対象になる役務の提供を、「電気通信利用役務の提供」と呼んでいます。
例えば、
- インターネットを介して行われる、電子書籍、音楽、映像などの配信
- クラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス
といったものが一般的には対象になります。
ちなみにこの場合は、消費税はその外国事業者が日本に申告納税することとなります。
事業者向けの「電気通信利用役務の提供」というカテゴライズ
さて、最後にもう一つ紹介します。
上の電気通信利用役務の提供のうち、特定の場合を事業者向けとして別カテゴリーにしています。
どんな場合か?
サービスの性質、取引条件などからみて、サービスを受ける者が通常事業者に限られる場合、です。
例えば、
- インターネットを介した広告の配信
- インターネット上でゲームやソフトウェアの販売場所を提供するサービス
などと言われています。
この場合では、消費税はサービスを受けた事業者が申告納税することとなります。