若手調査官が国税局調査部で身に着けておきたいこと③
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
調査部の調査は1ヶ月「もある」?
と、最初のうちは思います。
税務署のときは2,3日、といった期間で調査をすることが多いので。
でも、本当にその「1ヶ月もある」という感覚が正しいのかどうか。
まずもって、調査で会社にお伺いできるのは平日の月曜日~金曜日まで。これは当たり前。
1日を見ると、勤務時間は9時~17時として、会社で調査ができるのはだいたい10時~16時頃までが多いです。途中に昼休憩も挟みますし。
そうすると、1日フルで調査をしたとして、5時間しかないのです・・・。
そして、5時間×月曜~金曜日×4週間=100時間
この100時間で会社の方にヒアリングしたり様々な資料を検討したり、場合によっては反面調査したり銀行さんに行ったりすると。その上で、調査で修正する内容について会社側と合意して調査をまとめる必要があります。
「その会社」だけに集中できない
異動して最初の会社さんなら、その100時間をフルにその会社さんに使えます。
2件目、3件目と調査に行くようになると、
先月調査に行っていた会社さんについて、国税局内での仕事と同時並行で進めること
が求められるようになるのです。
調査のスケジュールの入れ方にもよるのですが、今現在行っている調査の臨場が終わると、ほとんど間を置かずに次の調査が始まる、ということがあります。
この場合、調査の決議書はいつ作るのか?
次の会社に調査に行きながら、この間まで行っていた会社の決議書を作ることになる、という対応になってしまうのです。
こういう事態になると、次の会社の調査に100%の時間を費やすことができなくなります・・・。
次の会社に使うべき100時間を、前の会社の内部仕事に取られてしまう。なんとも、もどかしいですね。
ついつい、残業をたくさんしてこなそう、と思ってしまいがちです。
「ロスタイム」をうまく見つけよう
これで対応しましょう。
この場合の「ロスタイム」は、
自分が今の会社でやるべきことがない状態
のことを指しています。
どういうことか。
税務調査と言っても、何も調査先の会社さんの会議室で朝から夕方までべったりいる必要はないんです。
そして、会社さんの提出してくれた資料を検討して、質問事項を会社さんに対応依頼したとき、その瞬間に回答が返って来ることは往々にして少ない。早くて翌日、場合によっては何日かはかかるものです。
自分としては、回答が返ってこないと調査を進められない・・・。
一つのやり方として、会社さんから回答が返ってくる時間を有効に使うのです。
例えば、その日の午後イチでいくつか質問事項を会社の担当者に対応を依頼したら、その日は国税局に切り上げる、とか。
そうすれば、2~3時間は別のことに時間が使えます。
ここに書いたことはあくまで「一つの例」です。他にも、時間を有効に使える方法はあると思います。
試行錯誤してみましょう。