調査部の税務調査⑤~調査の期間は?~
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
1週目 ヒアリング、ヒアリング、そしてヒアリング
調査開始前の「打ち合わせ」からだいたい2~3週間空けて、調査を始めます。
調査部の税務調査は、おおむね4週間。税務署と比べると調査にお邪魔する期間は長いのです。
”長い”とはいえ、ダラダラ調査をしているわけでもなく、目安として週ごとにフェーズを変えています。
まず1週目。この1週間で、
- 会社の各部署へのヒアリング
- 提出された申告書の内容チェック
- 提出を依頼していた資料の内容確認
を調査担当者で分担して行います。
何をしているのか、というと、
今回の調査で具体的に何を調べるのかを絞り込んでいます。
併せて、確認したい資料の提出依頼も行っておき、2週目以降で調査項目を検討する準備をします。
2週目~3週目 調査項目を深堀り、現地出張も
1週目にヒアリングを行って、深堀したい項目の調査を進めます。
2週目くらいから、ヒアリングの際に提出依頼しておいた資料がどんどん出てきますので、資料を確認し税務上問題がありそうかを検討していきます。
そして、資料の内容について質問があれば逐一行い、必要があればヒアリング依頼or資料提出依頼。
再度のヒアリングや資料の確認の結果を基に、また税務上問題がありそうかを検討して・・・という繰り返し。当然、依頼して即座に提出されるわけではありません。数日間のタイムラグがあります。
時間がかかるんです~。どんどん検討してどんどん資料をお願いしていかないと、あっという間に最終週に、なんてことも。
こういうことを、調査担当者各自ごとに行います。
また、調査担当者一人ずつに複数の調査項目を担当していることが普通なので、同時並行で色んな事を考えて動いていく必要があります。
なお、調査部の税務調査では、日本全国に出張することも頻繁にあります。
地方にある工場や営業所など、本社に取り寄せてもらった書類だけでは把握しきれない問題点を確認するために現地に赴くことが多いのです。
現地への出張は、だいたい3週目くらいに行くことが多い印象です。
この出張も大事で、実際に営業所や工場の社員の方とお話しすると、本社にいるだけではわからなかった税務上の問題点など、判明することが多いのです。
4週目 調査をまとめる
4週目で最後の週。ここで、調査の際に把握した問題点などをまとめ、経理部署の方にご説明します。
また、問題点を指摘するために必要となる資料が手元にそろっているかを確認し、足りないようであれば提出を依頼します。
調査官が指摘した問題点について、会社側と合意できれば税務調査は終了となります。
とはいえ、問題点についていきなりこの場で指摘することはしません。把握したタイミングで逐一お伝えして議論をしています。
最後のタイミングになって、いきなりこれが問題ですとお伝えしても、会社側で引き取って検討する必要もありますし、「見解の相違」というのもありますので。
このタイミングで調査をまとめて終わることができるかどうかが分かれ目です。
なぜなら、場合によっては次の週から別の法人さんに調査に伺う予定が入っていることもあるので・・・。