経費の否認 消費税の精算あり
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
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設例
3月決算の法人。3月末に通販で消耗品を税込み11,111円分購入したが、消耗品の到着が翌期4月だったというケース。
まずは修正仕訳を考えます。
現時点の仕訳は以下の通り。
(借方) | 消耗品費 | 10,101円 | (貸方) | 未払金 | 11,111円 |
仮払消費税 | 1,010円 |
正当な仕訳はこちら。
(借方) | 仕訳なし | (貸方) | 仕訳なし |
修正仕訳はこのようになります。
(借方) | 未払金 | 11,111円 | (貸方) | 消耗品費 | 10,101円 |
仮払消費税 | 1,010円 |
最初に行った仕訳自体を、法人税申告書の別表で打ち消すような形になります。
別表調整
実際には、法人税と併せて消費税も修正申告書を作成することとなるパターンが多いです。
今回は課税仕入れが11,111円多かった、ということなので、単純に計算して消費税の納税額は1,000円としましょう。
そうすると、
- 消費税の納税額→1,000円
- 仮払消費税の金額→1,010円
10円だけ合わない、ということになります。消費税の納税額は100円未満切り捨てとなりますので、このように差額が出ることがあるのです。
消費税精算の仕訳も書いておきます。
(借方) | 仮払消費税 1,010円 | (貸方) | 未払消費税 1,000円 |
雑収入 10円 |
この仕訳も含めたところで別表を作ります。なお、雑収入10円は、消費税の区分でいうと「不課税売上」となります。
まずは別表4で次の通り加算します。
(項目) | 金額 | 留保 | 流出 |
消耗品費否認 | 10,101円 | 10,101円 | |
雑収入計上もれ | 10円 | 10円 |
次に別表5。
(項目) | (期首) | (増加) | (減少) | (期末) |
未払金 | 11,111円 | 11,111円 | ||
仮払消費税 | △1,010円 | △1,000円(未払消費税分) | 0円 | |
△10円(雑収入) | ||||
未払消費税 | △1,000円 | △1,000円 |
このようになります。
仮払消費税1,010円のうち1,000円は未払消費税に振り替わり、残りの10円が雑収入に振り替えられています。
(※別表4雑収入計上もれと別表5仮払消費税が連動します。)
この表では便宜的に2行に分けて説明していますが、実際の修正申告作成の際には、1行にまとめています。
最終的に、別表4の留保額が10,111円、別表5の期末残高が10,111円となり一致していることになります。
進行期の消費税申告書も忘れない!
進行期の消費税の申告書を作成する際は、修正対象となった課税仕入れ11,111円分を加えることを忘れないようにしましょう。
法人税の方は、数字を繰り越したうえで進行期で減算の調整をするので問題ないでしょうが、消費税申告書の方は前期から数字を繰り越して計算する仕組みになっていないので、ついつい忘れがちです。
前期に修正申告を作成した分について、消費税の調整を忘れないようにしてください。