お金以外のモノにも所得税はかかる
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
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意外と気付かない
所得税は、「お金」にしかかからないのか、というとそういうわけではありません。
所得税の決まりでは、その年の収入金額について、「その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。」となっています。
大事な部分はかっこ書きの中身。つまるところ、お金以外のモノをもらった場合でも所得税はかかってくるということです。
どんな場合?
とはいえ、じゃあどんなモノが対象になるのか?ここは「経済的な利益」と言われても、なかなか思い浮かばないところだと思います。
例えば、
・事業で使うような物をタダでもらった。
・仕入代金や費用で未払いになっているものを免除してもらった場合。
というのがあります。
こういったことがあると、所得税の計算上「収入」になります。
実際にお金の出入りがないので、ついつい忘れがちです。
経理方法は
①事業で使うような物をもらった場合
→固定資産をタダでもらったということで、「固定資産」と「受贈益」をいう経理処理をすることになります。その後は、毎年減価償却で少しずつ費用にしていくことになります。この「受贈益」が収入ということになり、所得税がかかるわけです。
金額は、もらった時点の時価です。ただ、「時価」と言ってもそんなものは個人でわからないので、インターネットで調べた値段をつけるというところが現実的な方法でしょう。
※とはいううものの、上記の処理は10万円以上の時価がつくモノをもらった場合です。ちなみに、10万円未満のモノをタダでもらった場合、(青色申告の方は、30万円未満のモノをタダでもらった場合)「消耗品」/「受贈益」という経理になります。同じ金額を収入と費用の両方つけることになるので、税負担は変わらないということになります。
②仕入代金や費用の未払分を免除してもらった場合
→運良く、もしこういったことがあった場合、当面の支払いは助かるかもしれません。ただし、税金の負担は増えます。
経理処理としては、「買掛金」/「債務免除益」となり、この債務免除益が収入ということになってしまうんです。
このあたり、「なかなか感覚がついていかない」と思われるかもしれません。
しかし、こういうパターンもあるとぜひ知っておいていただきたいと思います。