国税職員の研修
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
国税の職場では、充実した研修制度が用意されています。研修の種類をまとめました。
私個人の感覚では、経理や税務を学んだうえで入社される方はごく少数(私も。出身は「法律畑」)。
入社時点で、簿記3級を持っていない職員もある程度はいます。
いわば「素人」に、それなりに税務の知識を身に着けてもらうために、国税の職場では大規模な研修が用意されています。
Contents
税務大学校
国税職員に採用されると、いきなり税務署に配属されるわけではなく、税務大学校という研修施設で税金の制度などについて講義を受けます。
税務大学校は、「本校」にあたるものが埼玉県の和光市にあり、そのほか地方にも「研修所」という位置づけで複数の施設があります。
私は国税専門官採用(=大卒)でしたので、本校に入校して3カ月ほどみっちり研修を受けました。
(ちなみに、高卒の方は「税務職員採用試験」を受けて入社します。この場合は、採用後「研修所」で1年にわたって研修を受けることになります。長い・・・)
税務大学校は、採用時の研修や部内での選抜試験を突破する必要がある特別な研修など、全国から職員を集めて研修を実施する際に利用されている印象です。
税務署・国税局での研修
税務大学校での研修は、「総論」的な意味づけだと、私個人としては思っています。
3か月間にわたって、税制やビジネスマナーなど、研修を受けたものの、いざ税務署に出てみると知らないことが多すぎる・・・。
ということで、税務署や国税局での研修が用意されています。
例えば、初めて税務調査担当になった職員に対する研修や、あるいは、初めて審理担当になったときの研修など。
税制についての研修もあれば、「業務」自体の研修もあったり。
職員の「属性」に応じて、一律で行われる研修が多い印象です。国税局へ行って研修を受けることもあれば、複数の税務署が集まって研修を実施することもあります。
私が経験したものでいうと、特に国税局調査部での研修は量が膨大でした。最近はオンデマンド研修の体制が整ったため、自分のパソコンで研修動画を視聴できるようになりハードルが下がりましたが、コロナ前は部屋に集められて対面での実施。出席するため、税務調査との日程調整に苦労した覚えがあります。
その他の職場内研修
上にあげたもの以外に、税務署の一部、国税局の特定部署単位の研修もあります。
これは、部署ごと年度ごとに様々で。
例えば、「簿記研修」とか、「法人税の申告書作成研修」とか。「調査事例の発表会」とか。あるいは、特官や署の幹部の方のお話を伺うこともあったり、それこそいろいろ。中身としては、実務的なものが多い印象があります。
部内で自主的に企画して実施しているようです。こういうものを、職場研修としてやってもらえるのは、今考えるとありがたかったなと。そういうのを、個人的には聞きに行きづらい性格だったので。
まぁ、こうやっていろいろやってもらえるのも「若手」のうちだけなんですが。