税務署の対法人調査⑦~対象の税金は?~
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
対象の税金①:法人税
これはいうまでもなく。法人調査のメインです。
概ね、調査対象とする期間は3年間です。ただし、不正な取引があるなど、場合によっては5年間、7年間に調査対象期間を広げて調査することもあります。
私が調査官の時には、やはり法人税でどれだけの申告誤りを見つけることができるのかにエネルギーを割いていました。
法人税の申告誤りと言っても、複数パターンありまして・・・
- 売上、仕入、経費などを計上する時期が間違っているケース
- 税金の計算上、利益として計上にする必要があるのにしていなかった
- 税金の計算上、費用に計上してはいけないものを費用にしていた
- 税額の特別控除の計算を間違っていた
など、これで全部ではありませんが、大体はこのような感じかなと思います。
対象の税金②:消費税
こちらも、おおむね調査の対象期間は3年間です。法人税と併せて調査対象期間が設定されることが多いです。
法人税の方で申告誤りが見つかると、消費税の金額も連動することが多いです。調査官としては、法人税だけではなく消費税でも数字を挙げることができるので一石二鳥。
ただし、消費税は、法人税とはまた違うルールで動いているので、消費税独自の申告誤りが見つかることもあります。
例えば、
- 課税売上げになる取引を消費税がかからない取引として申告していた
- 消費税が含まれていない支払いを、消費税が含まれているとして申告していた
というのが一般的でしょう。
対象の税金③:源泉所得税、印紙税
源泉所得税の調査対象期間は少々複雑です。
3年間+税務調査日程の直前の法定納期限の支払いまでが調査の対象になります。
法人税・消費税は「進行期」ではありますが、源泉所得税に絞って取引を確認しています。
徴収もれのパターンとしては、
- 報酬料金の支払いをしていたが、源泉徴収をしていない
- 非居住者へ源泉徴収する必要がある支払いをしていたが、源泉徴収をしていない
- いわゆる「認定賞与」
といったところでしょうか。
それから、「印紙税」。こちらは、一般的には税務調査の開始前の事前通知では調査対象にはしていません。
私の場合は、契約書などを調査中に確認していて、「印紙の貼り忘れがあるな」と判断次第、調査の対象にすると宣言していました。
ということで、法人向けの税務調査では都合4税目、調査の対象となります。