「2割特例」を使わない方がいい場合とは?
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
「2割特例」とは
消費税の税務署への納税を
売上にかかった消費税の2割でよい
というものでした。
そしてさらに、消費税の申告計算をするうえで、もらった請求書・領収書がインボイスかどうか、一切チェックしなくてもいいということでもありました。
使わない方がいい場合
2割特例の計算式は、
本来は自分で集計する必要がある部分が自動計算されてしまう
ということ。
つまり、本来の計算のやり方をした結果、売上にかかった消費税からマイナスできる金額が、売上にかかった消費税×80%より大きくなった場合はどうなるのでしょうか?
<具体例①>
- 売上にかかった消費税→10,000円
- 仕入・経費にかかった消費税→9,000円
という場合。
2割特例で計算→10,000円-8,000円=納税額2,000円
本来のやり方→10,000円-9,000円=納税額1,000円
この場合は、2割特例で計算した方が「損」ということです。さらに、
<具体例②>
- 売上にかかった消費税→10,000円
- 仕入・経費にかかった消費税→11,000円
という場合はどうでしょうか。
2割特例で計算→10,000円-8,000円=納税額2,000円
本来のやり方→10,000円-11,000円=納税額-1,000円→1,000円の還付!
という様に、還付になるはずだったのに、納税金額が出てしまっています。
具体例の様に、2割特例を使わない方がいい場合とは、↓
- 仕入・経費にかかった消費税の金額が、売上にかかった消費税の金額の80%分より大きくなる場合
- 消費税が還付の申告になる場合
ということになります。
開業したばかりで赤字になりそうな年とか、高めのパソコンや備品を買ったりした場合ですしょうか。もしこういうことがあれば、注意してみたほうがいいでしょう。
消費税が「還付」になる場合に気を付けたいこと
還付になる場合は、納税の場合より税務署に提出する書類が増えます。
それが、
「消費税の還付申告に関する明細書」
です。
(書類は国税庁ホームページからダウンロードできます)
この書類で、還付となった理由について説明するということになっています。
また、還付になる場合は税務署の内部で「本当に還付してもいいのか」審査があるとも聞いています。
もしかすると、税務署から還付の詳細について確認できる資料を提出するよう連絡があるかもしれません。