会社のお金と自分のお金
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
「会社のお金」と「社長のお金」は別!
外形的なお話や税金のお話もあるんでしょうが、私個人としては、会社設立を希望される方に真っ先にお話しすることはコレです。
個人事業主時代は、事業で稼いだお金もプライベートのお金も「自分の」お金でした。
事業で稼いだお金をプライベートに使っても、会計処理をきちんとしていれば(=経費にしていなければ)問題ありませんでした。
ところが、「会社」というものは、イコール自分ではないのです。
「株主も自分、社長も自分なのだから、会社イコール自分ではないの?」
と疑問に思われるかもしれません。
厳密には、会社と社長は別人格なのです。
会社と社長との間でお金のやり取りをしたら、それは会社が社長個人と取引をしたということになります。
お金の流れ:社長→会社のパターン
まず、社長が会社にお金を提供した場合を考えましょう。どんな取引になるのでしょうか?
この場合は、
- 資本金
が考えられます。会社を作ったときに最初にお金を入れる場合はこの資本金になります。資本金とは、会社が事業を開始するときの基になるお金、とお考え下さい。
あるいは、
- 社長からの借金
これも、よくあるお話です。会社の資金繰りの都合上緊急で資金が必要になる場合があります。銀行さんに借入をお願いしても間に合わない、そんなときは、社長の個人のお金を会社に移して急場をしのぎます。
こういうケースは、「会社が社長からお金を借りた」として会計処理をします。
お金の流れ:会社→社長のパターン
ここは注意が必要です。
会社が社長にお金を支払う場合は、
- 社長への役員報酬
一般的にはこのようになります。役員報酬であれば、特定の場合に限定されますが会社の経費になります。
- 社長への資金貸付(あるいは、社長からの借金の返済)
会社から社長がお金を借りる。社内で手続きを取って貸付の契約書を交わす。ないわけではないでしょう。ただし、利息を会社に払う必要があります。それに、決算書の見映えが悪くなります。
これが、社長からの借入金の返済、ということであれば特段問題はありません。
- 株主でもある社長への配当金
これも、場合によってはあり得ます。
基本的に、以上のような取り扱いになります。
これを見ると、「プライベートでお金が必要だから会社の通帳から引き出そう」というのは気軽にはできません。
すべて、会社と社長との間の取引に置き換えられてしまいます。
これもすべて、「会社のお金は自分のお金」ではないというところにかかっています。
この点については、気を付けておきたいところです。