短期前払費用で節税!
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
前払費用を支払ったとき
本来、前払費用というものは、「まだサービスを受けていないけど、お金を先払いしたもの」です。会計の原則的な考えでは、サービスを受けていない以上、当期の経費にはならない、となります。
ところが、短期前払費用となる条件を満たせば、支払ったお金をまとめて当期の経費にできるのです。
短期前払費用の条件
①契約などで、継続して受けるサービスについて支払うこと。
②支払ったお金の中に、当期にまだ受けていない分のサービスに対応するお金が含まれていること。
③当期にまだ受けていないサービスは、お金を支払ったときから一年以内に受けるサービスであること。
④毎年継続して、支払った時の経費にしていること。
⑤収入に個別に対応できる支払ではないこと。
!気を付けたいこと!
③について→「お金を支払った時から一年以内に受けるサービス」とはどういう意味なのでしょうか。例えば、「令和6年4月~令和7年3月までのサービス」の料金を令和5年12月に支払ったとしましょう。このケースでは、支払った時期が令和5年12月ということで、そこから一年、令和6年12月までに終了するサービスであれば条件を満たすことになります。この例では、サービスが終了するのは令和7年3月ですから、支払った時から一年を超えています。ということは、短期前払費用の制度は使えないということになります。
④について→毎年同じ会計処理をしましょうということ。令和5年度はまとめて費用にした、でも令和6年度は決算が厳しいからまとめて費用にはしなかった・・・ではいけません。いったんまとめて費用にした以上は、来年以降も続いてまとめて費用にする必要があるということです。
節税効果は一度きり
短期前払費用の節税効果は、一時的なものです。これは、本当なら来年度の費用になるものを今年度の費用にするということ。
でも来年度はどうなるのでしょうか?来年度の費用になるものの一部は今年度の費用になっています。今度は、再来年度の費用を来年度に持ってくることになります。
これは、結局、一年ごとに見ると費用をならしているだけなのです。節税効果は最初の一年目しかないということには気を付ける必要があります。