税務署の法人税調査② 年内の調査はいつまで?
こんにちは。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。この記事をご覧いただいて、ありがとうございます。
いつ頃まで調査をしているのか?
基本的に、7月以降に着手した調査案件は、年内に終了(=修正申告提出)するようにという慣習があります。
税務署の調査は一般的に2日程度が多いです。しかし、12月に入って新しく調査を行うかというと、一般的にはそうではありません。
というのも、税務調査というものは、納税者の事務所に伺って帳簿などを確認して、指摘事項をお伝えしてそれで終了、ではありません。
統括官の了解を得たうえで、納税者と修正内容を合意した後、今度は署内の「審理担当」のチェックを受けます。
何のチェックを受けるのか?
「本当にその内容で修正をしていいのか」
というチェックです。
調査担当者は、調査が終了してから「決議書」という、いわば調査の報告書を作成します。どういう間違いがあって、どういう申告書の修正になるかということが書いてあるものです。
この決議書のチェックを受けるのです。法人税法上、修正項目に問題がないかということです。
チェックが通って、ようやく修正申告提出となります。
調査が終わったはずなのに、税務署からの連絡がなかなか来ない
「調査官が事務所に来て調査も終わったし、修正の内容についても税務署側と合意したはずなのに、なんで修正申告の提出を止められているのだろうか。さっさと修正申告して、納税も済まして調査を終わらせたいのに。」
この原因が「決議書のチェック」。
このチェック、1~2カ月かかることも普通にあります。
場合によっては、チェックの際に、修正項目を確認するための証拠資料が足りないと指摘を受け、納税者に再度連絡して資料を取り寄せる、ということにもなります。
ですので、調査官目線で年内に調査を終わろうと思えば、
11月中旬ごろには修正項目を納税者を合意できていること
が最終期限です。
ということは、税務調査ができても11月ごろまで、ということになります。
裏話:調査で大事なことは・・・?
調査官は年間30件ほど、税務調査を担当することになります。
なので、「この会社は問題点なさそうだな」逆に「この会社はおかしな取引をして税金をごまかしている」という見極めを早期に行う必要があります。
つまるところ、2日の調査日程で、2日目で修正項目を合意して終わらせるのか、署に戻って引き続き取引内容を検討するのか、判断をすることが重要となります。なお、必要があれば、12月に調査が終わらなくても引っ張ります。不正な申告をしている可能性がある以上、事実を解明せずに終われませんからね。
この「判断する」ことが自分でできて一人前の調査官になります。